BMW/MINI R60 クロスオーバー エンジン不調 チェックランプ チェックエンジン点灯

平成23年式のR60クロスオーバーがエンジン不調で入庫しました。 エンジンを始動するとアイドリングが不安定でエンストしそうになります。

テスターを繋ぐと、3番のミスファイアーのメモリーが入力されていたため診断を進めていくと、3番シリンダーの圧縮が無いことが分かりました。

19年から20年製造の2世代目ミニで、エンジン内部のバルブが解けた車両は当店で何度も修理しておりましたが、23年製造の後期エンジン(N16)でこのような症状は初めてです。

ヘッドカバーを取り外し、カムやバルブ、エキセントリックシャフトを入念にチェックした結果、異常はなかった為エンジンヘッドを取り外しました。

各シリンダーにガソリンを入れて、シリンダーごとにオイルパンに滴下するスピードを計ります。そうすることによって、ピストンリングの異常摩耗や固着を見つけることが可能です。

圧縮不良の原因はバルブでした。

カーボンがバルブの傘に溜まることによって異常燃焼が起き、溶けてしまったことが考えられます。 溶けた破片をキャタライザーの内部まで探しましたが、見つかりませんでした。

溶けたバルブのエッジがバルブシートを傷付けていたため、新品バルブのすり合わせを行います。

心配しましたが、バルブシートは交換せずに研磨のみでいけました。他のバルブの曲がりをチェック。同時にすり合わせも行いました。

エンジンヘッドを組み立てる時に、チェーンテンショナーも同時に交換しました。 右側の対策前のストロークの短いテンショナーが付いていたためです。


チェーンガイドにも損傷があった為、交換しました。

経年劣化による変色が凄いですね。

マフラーからの白煙の改善の為、ステムシールもお客様の要望により交換になりました。

ターボなしのN16エンジンのインテーク廻りは、分解に特殊な工具が必要になります。

特殊工具で取り外したインテークカムシャフト廻りのパーツです。詳しい説明は今回は省きますが、BMWエンジンは構造が複雑です。

無事にエンジンが組みあがり、症状も改善して吹け上りも良くなりました。

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